まさかスーパーに烏骨鶏の有精卵が、、、
「今日の晩ごはんは、ちょっと奮発して烏骨鶏(うこっけい)の卵かけご飯にしようかな」
そんな軽い気持ちで立ち寄った産地直送のスーパー。そこには、高級感を漂わせる「烏骨鶏の食用卵」が並んでいました。しかし、私の脳内に住む「好奇心の魔物」が囁いたのです。
「これ、有精卵って書いてあるけど……温めたらワンチャン生まれるんじゃね?」
これが、その後の21日間に及ぶ狂乱の日々と、我が家に「新しい家族」が爆誕する物語の始まりでした。
それは「美味しそうな卵」のはずだった
先日、地元の産直スーパーで出会ってしまったんです。美しく輝く殻、そして誇らしげに書かれた「有精卵」の文字。烏骨鶏の卵といえば、栄養満点で濃厚。普通なら「醤油を垂らして…」とヨダレを垂らす場面です。
しかし、何を隠そう我が家には既に数羽のニワトリ(先輩烏骨鶏たち)がおります。「有精卵」+「ニワトリがいる家」=「これはもう、温めるしかない」という謎の数式が成立してしまいました。
「もし生まれたらラッキー。」 そんな軽いノリで、私の「命のギャンブル」がスタートしました。

まずは「天然のぬくもり」に託してみた結果
我が家には、現在絶賛「抱卵(卵を温めたい)モード」に入っているベテラン烏骨鶏のメスがいました。彼女の母性に期待し、そっとスーパーの卵を預けてみることに。

彼女はプロでした。器用にクチバシで卵の向きを変える「転卵」を行い、自分の体温でじっくりと卵を包み込みます。「さすが自然の神秘!これは期待大だわ」と確信した私。

しかし、1週間後。 事件は現場(小屋)で起きていました。
卵、完食。
殻すら残っていません。どうやら彼女の「母性」よりも「食欲」が勝ってしまったようです。「あ、これ美味しいやつだ」と気づいてしまったのでしょう。自然界の厳しさ(と食い意地)を、身をもって知った瞬間でした。
文明の力(孵卵器)への課金
「こうなったら、機械の力に頼るしかない!」 悔しさに震える指で私がポチったのは、楽天で見つけた約4,000円の家庭用孵卵器。

「たった4,000円で命が買える…じゃなくて、命を育めるなら安いものだ!」と言い聞かせ、再びスーパーへ。今度は食べられないように、最新鋭のメカの中に卵をセットしました。
この孵卵器、安いわりには温度管理が完璧で、初心者でも「水を入れるだけ」という親切設計。私のいい加減な性格をカバーしてくれる、頼もしい相棒です。
卵を孵化させる方法【初心者向け・ズボラ解説】
「え、スーパーの卵を温めるだけ?」と思うかもしれませんが、一応コツがあります。私が実践した、超ざっくり孵化マニュアルがこちら。
- 「有精卵」をゲットする:無精卵をいくら温めても、得られるのは「温かいゆで卵(未完)」だけです。
- 温度は37.5度をキープ:これが命の適温。1度ズレると運命が変わります。
- 湿度管理は「水」:孵卵器の底に水を張るだけ。乾燥は大敵です。
- 転卵(卵を転がす):1日に数回、中身がくっつかないようにゴロゴロさせます。※自動転卵機能付きなら放置でOK!
- ひたすら21日間待つ:これ、意外と忍耐力が必要です。
ちなみに、二週間ほど経ってから、卵の殻に光を当ててみると、、、モゾモゾ動いているのを確認できました。
運命の21日目、奇跡は「突然」訪れる
予定日の21日目。「本当に生まれるのかな…」と半信半疑で孵卵器を覗き込むと……
「ピキッ……」

音がした! 卵にヒビが入っている! そこからの展開は早かったです。内側から必死に殻を叩く音。そして、濡れたネズミのような(失礼)塊が、殻を突き破って飛び出してきました。
「う、うわああああ!本当に生まれた!!!」 感動、驚き、そして「え、これマジでどうしよう」という一抹の不安。3羽のヒヨコが無事に誕生しました。スーパーのパックに入っていたあの子たちが、今、私の目の前で鳴いているのです。

生まれた後の準備が弱すぎた。
感動も束の間、重大な事実に気づきました。
「あ、ヒヨコの育て方、ちゃんと調べてなかった」
鶏は雛から育てていますが、ひよこの育て方は無知の状態でした。
孵卵器の中は温度も湿度も保たれているため、生まれてすぐは問題ないですが、孵化させることに全集中していたため、その後のアフターケアが完全に抜け落ちていたのです。慌てて近所のホームセンターへ爆走!
【購入リスト(パニック買い)】
- クリアケース:とりあえずの住まい。
- 保温器(ペット用ヒーター):ヒヨコはとにかく寒さに弱い。
- ひよこ用フード:成鶏用はまだ食べられません。
- 注入器(給水用):最初は水も上手に飲めない。
- 温度計:ケース内の温度チェック。
「急に始まったポカポカひよこライフ」に、財布の紐も緩みっぱなしです。
ケース内飼育のポイント:ヒヨコは「超元気な毛玉」
自宅に戻り、即席のヒヨコ部屋をセッティング。

飼育のポイントは、何と言っても「温度」。 ケース内は37度前後をキープします。少しでも寒いとピヨピヨと悲しそうに鳴き、暖かいと満足げに寝ます。感情表現が分かりやすすぎる。
そして驚いたのが、彼らの成長スピード。 生後1日経たないうちに、ケース内を爆走し、エサをバクバク食べ始めます。 「食う、寝る、走る」の無限ループ。想像以上の生命力です。
成長スピードが早すぎて、もはや「別の生き物」
1週間も経つと、黄色い産毛の間に白い羽根が混ざり始めます。

掃除の時間に外に出すと、私の足元を「親」だと思って追いかけてきます。可愛すぎて掃除が捗りません。しかし、毎週サイズ感が変わる。先週まで手のひらに収まっていたのに、今や「握り拳」以上の存在感。このままだと、すぐに恐竜になるのでは?

1か月後、いざ「外の世界」へ!
生後1ヶ月。見た目はもはや「小さなニワトリ」です。 いつまでも温室育ちというわけにもいかないので、少しずつ外の空気に慣らしていきます。(冬は厳しいかもです)

我が家の先住鶏たちとの合流を目指し、まずはお試しに温厚な大先輩と一瞬だけお見合い。 「あんたたち、スーパーの卵だったのよ」と先輩がおっしゃておりました。
スーパーの卵には「夢」が詰まっていた
「スーパーの有精卵を孵化させる」 軽い気持ちで始めた挑戦でしたが、結果として3つの命を預かることになりました。
【今回のまとめ】
- スーパーの卵でも有精卵なら孵化する(可能性は十分!)
- 孵卵器は安価なものでも十分機能する
- 「生まれた後の準備」を先にせよ(これ一番大事)
- ニワトリの成長は、新幹線の如く早い
最初は「食べよう」と思っていた卵が、今では私の後を追って走る愛おしい存在。命を育てる楽しさと、その責任の重さを(ホームセンターへの爆走を含め)痛感した21日間でした。
皆さんも、もしスーパーで「有精卵」を見かけたら…… それは美味しい晩ごはんになるか、あるいは新しい家族になるか。 決めるのは、あなたの好奇心次第です!
