家の壁や天井の隅に、ひっそりと巣を張っている蜘蛛。あの小さな体でいったい何を食べて生きているのか、気になったことはありませんか?見た目が苦手でつい駆除してしまう人も多い蜘蛛ですが、実は人間にとってありがたい存在でもあるのです。
この記事では、「蜘蛛は何を食べるのか?」を中心に、蜘蛛の性格や種類ごとの特徴、生息場所や狩りの方法まで詳しく解説していきます。蜘蛛のことを正しく知ることで、「見つけたらすぐ駆除」という考え方が変わるかもしれません。

蜘蛛の基本的な特徴と性格とは?
見た目は怖い?実はおとなしい性格
蜘蛛といえば、多くの人がその見た目に驚いたり、怖がったりする存在です。しかし実際には、蜘蛛はとてもおとなしい性格をしています。基本的に自分から人間を攻撃することはなく、人が近づくとすぐに逃げてしまいます。噛むこともまれで、日本国内に生息している多くの蜘蛛は無害です。
種類によって異なる体の構造と習性
日本でよく見かけるのは「アシダカグモ」「ジョロウグモ」「ハエトリグモ」など。それぞれの種類によって、巣を張るかどうか、どのように獲物を捕まえるか、生活スタイルが大きく異なります。たとえば、アシダカグモは巣を張らず、自ら獲物を追いかけるタイプです。

蜘蛛は何を食べるのか?
主食は昆虫!蚊やゴキブリも捕食する
蜘蛛が主に食べるのは、身近な昆虫です。代表的なものはハエや蚊、小さなゴキブリ(特にチャバネゴキブリの幼虫)、ダニなど。自分よりも小さい虫であれば、網にかけて毒で動けなくしてからゆっくりと吸収するように食べます。
種類によって狩りの方法も異なる
蜘蛛には「網を張って待ち伏せするタイプ」と「網を張らずに自分から動いて獲物を狩るタイプ」が存在します。たとえば、ジョロウグモは美しい網を作ってそこに虫がかかるのを待ちます。一方、ハエトリグモは視力が良く、小さなハンターのように自分で虫を追いかけて飛びかかります。
蜘蛛の生息場所はどこ?家の中にもいる理由
湿気と餌がある場所を好む
蜘蛛は湿度が高く、餌となる虫が多い場所を好んで住み着きます。家の中では、風呂場、洗面所、キッチン、押し入れの隅などが定番の居場所です。日当たりが少なく、人の出入りが少ない静かな場所に巣を作る傾向があります。
家の中に現れるのは「餌がある証拠」?
蜘蛛が家の中に現れるのは、その家に他の小さな虫が存在している証拠です。つまり、蜘蛛はゴキブリやハエ、蚊などの「害虫」を捕まえてくれる天然の駆除屋とも言える存在です。蜘蛛が住み着いていること自体が、家の虫環境のバロメーターともいえるでしょう。
蜘蛛が好む食べ物ランキング【家庭編】
1位:ハエ・蚊などの飛ぶ虫
もっともよく食べるのがハエや蚊といった飛翔昆虫です。とくに網を張るタイプの蜘蛛は、このような虫が網にかかるのをひたすら待ち続けます。

2位:ゴキブリの赤ちゃん(チャバネゴキブリ)
見た目も恐ろしいアシダカグモなどは、小さなゴキブリを好んで食べます。ゴキブリが多い環境では、それを捕食するために蜘蛛が現れることも多いです。

3位:ダニ・シロアリなど微小な虫
家の中には目に見えにくい小さな虫がたくさん存在しています。蜘蛛はそういった微小な虫たちもエサにしており、知らないうちに害虫を減らしてくれているのです。

蜘蛛と共存できる?それとも駆除すべき?
毒を持つ蜘蛛は日本では少数
日本に生息している蜘蛛のほとんどは無毒で、人体に危険はありません。ただし、外来種である「セアカゴケグモ」や「ハイイロゴケグモ」などは毒を持っているため注意が必要です。
どうしても苦手な場合の対策
どうしても見た目が苦手で、共存は無理という方もいるでしょう。その場合は、市販のクモ忌避スプレーや、ハッカ油を使った自作スプレーなどが効果的です。殺虫剤で駆除する前に、優しい方法で対策してみるのもおすすめです。

意外と知らない!蜘蛛の豆知識
蜘蛛は昆虫ではない
蜘蛛は「昆虫」と間違われがちですが、実は昆虫ではありません。昆虫は脚が6本なのに対し、蜘蛛は8本。分類上は「クモ綱」という別のグループに属しています。
蜘蛛は自分の巣を食べることもある
巣を張るタイプの蜘蛛は、古くなった巣をそのまま放置せず、自ら食べて再利用することがあります。非常に合理的かつエコな性質を持っているのも蜘蛛の魅力のひとつです。
まとめ
蜘蛛は、私たちの身の回りにひっそりと生きる小さな捕食者です。主にハエや蚊、小さなゴキブリなどを食べることで、私たちの生活空間を清潔に保つ手助けをしてくれています。見た目のインパクトから敬遠されがちですが、実は人間にとってありがたい存在でもあるのです。
毒を持つ種類もいますが、日本ではほとんどが無害。駆除せずにそっとしておくことで、むしろ家庭の害虫対策になることもあります。蜘蛛の生態を知り、少しだけ優しく見守ってあげる心の余裕を持ってみてはいかがでしょうか。